Shogo's Blog

たぶんプログラミングとかについて書いていくブログ

6さいカンファレンス 第9回「マスタリングの技法 ~音圧を上げよう~」まとめ

2012/11/8にくいなちゃんさん主催で開催された6さいカンファレンスのまとめ。 第9回は「マスタリングの技法 ~音圧を上げよう~」です。

勝手にまとめてしまったので、何か問題があれば@shogo82148まで。

よるほー

くいなちゃん: みなさん、自分が作った曲が、市販のCDの曲にくらべ、 音量が小さい (最大まで波形を上げたにも関わらず)と悩んだことはありませんか?

くいなちゃん: しかし、心配はいりません。 今回のことを実践していただくと、 みなさんの曲も、市販の楽曲並みに、音圧をあげることができるですん! では次の波形をご覧ください。

くいなちゃん: http://kuina.tes.so/6saiconf_9/img0.png はい、さっき作った曲です。 いい曲ですね! しかし、なんだか音量が小さいですね… それでは、波形に注目してください。 この図では、波形が-1.0~1.0 の範囲で 示されていますが、この範囲に比べ、明らかに波形が小さいです。 余白が空きすぎです!

くいなちゃんさんが作った曲

くいなちゃん: え、mp3ファイルがどこにあるかって? キニシナイ! では、とりあえず、この波形を -1.0~1.0 まで拡大してみましょう。 http://kuina.tes.so/6saiconf_9/img1.png はい、赤い矢印で示されたところが、確かに-1.0~1.0 の範囲に到達していますね。 素人さんは、この状態で完成、と思うでしょう。 しかし、それではダメダメですん☆

拡大してみた

くいなちゃん: なぜなら、緑の2本線で示された範囲がメインの波形であって、 そこから飛び出た いわゆる魚の骨は、音量を上げる邪魔をするものだからです。 この魚の骨さえなければ、もっと音量が上がるのに…そう考えてください。

くいなちゃん: 市販のCD の音楽なんかは、こんな波形をしています。 http://kuina.tes.so/6saiconf_9/img2.png これは、全体が波形で埋まった、いわゆる海苔みたいなことになっているので、 業界でもしばしば 海苔 と言われます。 ここまで来ると、相当 音量が大きく聞こえます。 波形のピークは、魚の骨と同じなんですけどね。

市販のCDの波形

くいなちゃん: で、素人さんは、この状態にしようと、魚の骨を無視して、 波形のレベルを上げるわけです。 しかし、これには問題があるのです。

くいなちゃん: http://kuina.tes.so/6saiconf_9/img3.png この図を見ればわかるのですが、青のラインが -1.0 ~ 1.0 の範囲をしめしています。 で、無理やり波形を拡大すると、青のラインを超えた部分が潰されて、 右の波形のようなことになってしまいます。これは、元の波形から変わっているので、 当然音も変わります。大抵、ノイズが入った汚い音になってしまいますですー

市販のCDの波形

くいなちゃん: じゃあ、どうするのか。 それは、波形を潰すことなく、波形のピークを下げて -1.0 ~ 1.0 の範囲に余白を作り、更に音量を上げる余地を作ればいいのです☆ では、そのための具体的に手法を、説明しましょう。

聞こえない音を削る

くいなちゃん: まず、この図を見てください。 http://kuina.tes.so/6saiconf_9/img4.png 左の複雑な波形も、実は 単純なサイン波の集まりであることが、数学的に証明されています。 つまり、どんな曲も、高低さまざまな周波数のサイン派 が集まってできているというわけなのです。

サイン波

くいなちゃん: よく皆さんが目にするイコライザ というのは、この周波数ごとに波形を分解したものです。 http://kuina.tes.so/6saiconf_9/img5.png 左になるほど、周波数が低く(低い音)、右にいくほど高く(高い音)なっています

イコライザ

くいなちゃん: 2つあるのは、ステレオだからですん☆ で、人間の耳は、このうち 60Hz ~ 16000Hz 程度の音を聴くことができます。 本当はもうちょっと聴くことができる人もいるんですが、大体この程度と考えてください。

くいなちゃん: ということは逆に言えば、60Hz未満、16000Hz以上の音は、 カットしても判らないということです。 http://kuina.tes.so/6saiconf_9/img6.png 聴こえない音のくせに、波形データには含まれていますので、これを削るだけで、 少しは波形のピークも減らせるはずなのです☆(理論値)

周波数カット

くいなちゃん: 実際に削ってみましょう。 どんなイコライザを使ってくださっても構いません。 くいなちゃんは、愛用のイコライザで削りました。 http://kuina.tes.so/6saiconf_9/img7.png この曲線を見ても、60~16000Hz 外を削っていることが解りますね。

くいなちゃんさん愛用のイコライザ

くいなちゃん: 気になる波形の変化を見てみましょう。 http://kuina.tes.so/6saiconf_9/img8.png おや、さっき -1.0~1.0 に到達していた赤矢印の部分に、ちょっと余裕が生まれていますね! ということは、このぶんだけ、さらに全体の音量を上げてもOKということなのです☆ 音圧が上がりますね

削った後の波形

波形を潰さずピークを減らす

くいなちゃん: 次に、波形を潰すことなく、ピークを減らす方法を考えてみましょう。 http://kuina.tes.so/6saiconf_9/img9.png (1) は元データ、(2) は素人が無理やり波形を上げて潰したもの、(3) は潰さずに波形の高さを低くしたものです。 (3) は、下に描かれている通り、青線の超過部分の割合を1/3にしています。 これだけで、ノイズが乗ることなく、波形のピークを綺麗に抑えることができるのですん☆

波形を潰さずピークを減らす

くいなちゃん: それを実現するのが、コンプレッサ (コンプ) です。 http://kuina.tes.so/6saiconf_9/img10.png こんな感じの画面が一般的です。 基本的なパラメータは、スレッショルド、アタック、リリース、レシオ、ゲイン になります。 それぞれ説明します。

コンプレッサ

くいなちゃん: スレッショルドは、さっきの絵の青線に相当するものです。 どのレベルから波形を圧縮し始めるのかを指定します。 アタックは、スレッショルドを波形が超えてから、圧縮し始めるまでの時間です。音圧を上げる場合は、すぐ圧縮したいので、一番短くしましょう。 リリースは、圧縮する必要がなくなってから、圧縮をやめるまでの時間です。 これもなるべく短くすべきですが、あまりに短いとノイズが乗るので、綺麗になるよう調整してください。

くいなちゃん: レシオは、圧縮率です。 この図では、5.00 になっていますが、これは 1/5 に圧縮することを意味します。 1/3 にしたい場合は、3.00 にします。 ゲインは、この装置(コンプ)から波形を吐くときに、ついでに音量を上げることができるんですが、その値です。 ここで注意なのは、ゲインで上げると、結局素人さんが波形の音量を無理やり上げるのと同じことなので、これに頼っては意味がないということです。 基本的な考え方としては、波形を圧縮してピークを下げる→ピークが下がったぶんだけ全体を上げるという流れですね

くいなちゃん: また、かなり多くの人がここで罠にかかるのですが、魚の骨部分だけを圧縮してください。 本体の波形を圧縮してはいけません。 というのは、本体を圧縮すると、全体の音量が下がってしまいますので、全体の音量が下がる→ゲインで上げる=もとの音量と変わらない ということになってしまい、結局音がコンプによって圧縮されただけという結果になります。 もちろん、それが目的なら良いのですが、音圧を稼ぎたい場合は避けましょう。

くいなちゃん: ついでに言うと、安っぽい音源を使ったせいで、音が薄っぺらいなー という人は、このコンプで本体の波形を圧縮すると、そこそこ迫力のある太い音に変化しますのでオススメです。 軽くその楽器にリバーブをかけると、効果倍増ですん☆ いろいろ試してみてください

くいなちゃん: はい、以上のことをするだけで、波形のピークが減ります。 あとは、ひたすら音量を上げていき、ノイズが乗る寸前まで音量を上げると そこそこ音圧のある曲になります。 また、パートごとにコンプをかけてピークを下げておくと、一層音圧は上がりますね。 では、ここからちょっと上級者向けのテクに突入です。

くいなちゃん: とその前に、ここまで質問はないですかー生きてます??

くいなちゃん: どうやら、このまま進むと みなさん 息しなくなりそうなので、上級者向けテクは くいなちゃんの心の中にしまっておいて、今日はこの辺にしましょうか。 というわけで、以上ですんーおしまい!

実際やってみよう

信号処理とかの授業でフーリエ変換とか扱ったことはあるのですが, コンプレッサのお話とか今回のカンファレンスで初めて知りました. 音楽とか僕には難しいです・・・.

しかし,そのためのツールを作る事ならできます! 現在策定が進んでいる Web Audio を使えばブラウザから音を簡単に出すことができます. そして,周波数フィルタとかコンプレッサもはじめから付いているので, 設定をちょこちょこっと書いてあげるだけでこれらの機能を簡単に使うことが可能です.

ということで簡単なツールを作ってみました. Chomeのみ対応です. 音楽ファイルをドラッグアンドドロップで元の音楽を読み込みます. 元の音楽→Lowパスフィルタ→Highパスフィルタ→コンプレッサ→音量調整, の順番で音を加工します. 上の画面は音の波形,下は周波数アナライザの結果です. 灰色が元の音,緑が加工後を表しています. スクロールバーを動かして遊んでみてください.

Gain:1

High Pass Filter:0Hz

Low Pass Filter:0Hz

Threshold:0dB

Ratio:0dB

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