少し前にGoogle Cloud Messaging for Chrome が発表されました。 Android向けに提供されていた Push 通信の仕組みである GCM の Chrome 版です。 ちょうど GCM for Android に触っていたところだったので、 for Chrome のほうも試してみることにしました。
拡張機能の登録
公式ページの説明にしたがって、 APIを使えるようにします。 GCMはOAuth2.0で認証を行うので、
- クライアントIDを作る
- Refresh Token を作る
という2ステップが必要。
クライアントIDを作る
まず、新しい OAuth2.0 のアプリを作成。 拡張機能をアップロードする予定のGoogleアカウントで以下の作業して Client IDを作ります。
- Google APIs Console にログインする
- ** Create… ** メニューから新しいプロジェクトを作成
- “Services” を開いて ** Google Cloud Messaging for Chrome API ** を有効化
- “API Access” を開いて ** Create an OAuth 2.0 cliend ID… ** というボタンをクリック
- branding information を適当に入力
- “Application Type” という項目の “Web application” を選択
- “Create client ID”!!
Client ID と Client Secret が表示されるのでメモしておきましょう。
Refresh Token を取得する
次に作成したクライアントIDを使って、 OAuth2.0認証。
- シークレットウィンドウを開く(複数アカウント持ってない場合は必要ない)
- OAuth 2.0 Playgroundへアクセス
- ** OAuth2.0 Configuration ** をクリック
- “Use your own OAuth credentials” にチェックを入れ、Client ID と Client Secret を入力。“Close"を押して画面を閉じる
- “Step 1"セクションの"Input your own scopes"に
https://www.googleapis.com/auth/gcm_for_chrome
を入力して、“Authorize APIs"ボタンを押す - ログインページにリダイレクトされるので、拡張機能をアップロードする予定のアカウントで認証
- 今度はアプリの認証画面に飛ぶので “Allow Access” をクリック
- “Step 2” セクションの “Exchange authorization code for tokens” ボタンをクリック
以上の手順で Access Token と Refresh Token がもらえる。 通知を送るには Access Token があれば十分なんだけど、有効期間が1時間程度しかない。 有効期間が切れたら Refresh Token を使って再取得する必要がある。 Refresh Token の方には有効期間は無いので、大事にとっておこう。
(GCM for Android みたいに Sever key 作るだけじゃダメだったのかな・・・OAuth2.0認証面倒・・・)
拡張機能でGCMを使う
次は通知を受け取る拡張機能を作ります。
パーミッションを追加
まずはマニフェストを作成。 permissions という項目に “pushMessaging” を追加しておくのがポイント。
{
"manifest_version": 2,
"name": "Shogo GCM Test",
"description": "It's test extension",
"version": "1.0",
"permissions": [
"pushMessaging",
"notifications"
],
"background": {
"scripts": ["background.js"]
}
}
JavaScript を書く
通知を受け取るプログラムを書いてみます。
// ChannelIDを取得
chrome.pushMessaging.getChannelId(false, function (response){
console.log(response); // 本当はサーバに送るんだけど、とりあえず、コンソールに出力しておく
});
// 通知を受け取るイベントハンドラを登録
chrome.pushMessaging.onMessage.addListener(function (message) {
// デスクトップ通知で表示
var notification = webkitNotifications.createNotification(
'',
'Message',
message.payload
);
notification.show();
});
マーケットに公開!
ローカル環境でも Channel ID の取得まではできるんだけど、 実際に Push 通知を受信するには、マーケットへのアップロードが必要。
デベロッパーダッシュボードで 新しいアイテムを追加ボタンを押し、さっきのファイルをzipで固めたファイルを送ります。 公開するには初回のみ5ドル必要です。 さすがに開発中のものを全世界に公開するのはまずいので、 テスターにのみ公開というオプションを選択しておきましょう。
Push 通知を送る
さあ、Push通知を送ってみましょう。
新しい Access Token を取得する
と、そのまえに
そろそろ最初にもらった Access Token の有効期間が切れているころだと思うので、 新しいものを取得しておきましょう。
最近 Perler になりつつあるので、Perlで書いてみます。 Client ID, Client Secret, Refresh Token を Post するだけの簡単なスクリプトです。
#!/usr/bin/env perl
use warnings;
use strict;
use Encode;
use Data::Dumper;
use Furl;
use JSON::XS;
my $refresh = 'your_refresh_token';
my $client_id = 'your_client_id.apps.googleusercontent.com';
my $client_secret = 'your_client_secret';
my $furl = Furl->new;
my $res = $furl->post(
'https://accounts.google.com/o/oauth2/token',
[ ],
[
client_id => $client_id,
client_secret => $client_secret,
refresh_token => $refresh,
grant_type => 'refresh_token',
],
);
print Dumper decode_json($res->content);
Push! Push! Push!
さあ、ようやくPush!
Access Token をヘッダにつけ、 メッセージをChannel IDと一緒に POST するだけ。
Channel ID は chrome://extensions/
から自分の拡張機能の選択、
ビューを調査: _generated_background_page.html というところをクリックすると、
Consoleが見れるのでそこから確認できます。
#!/usr/bin/env perl
use warnings;
use strict;
use Encode;
use Furl;
use JSON::XS;
my $access = 'your_access_token';
my $channelId = 'your_channel_id';
my $data = {
channelId => $channelId,
subchannelId => "0",
payload => decode_utf8(join(' ', @ARGV)),
};
my $furl = Furl->new;
my $res = $furl->post(
'https://www.googleapis.com/gcm_for_chrome/v1/messages',
[
'Content-Type' => 'application/json',
'Authorization' => "Bearer $access",
],
encode_json $data,
);
$ perl push.pl hogehoge
うまくいくと、デスクトップ通知が出るはず!